酸度とは、オイル成分の分解度合いを示す指標です。この値が高いと、オイル成分が酸素により分解(酸化)されていることを意味し、品質が保たれていないことになります。反対に、値が低いと分解(酸化)が進んでおらず、品質が保たれていることを意味します。
オリーブ実には「グリセリン*1」と「脂肪酸*2」が結合した油脂が含まれます。この油脂は、熱や衝撃によりグリセリンと脂肪酸が分解して「遊離脂肪酸」を放出します。そのためオリーブ収穫による衝撃でオリーブ実には遊離脂肪酸が発生してしまいます。
この遊離脂肪酸は酸素と反応しやすいため、空気中の酸素と結合して酸化します。酸化はオリーブオイルの風味や成分の劣化に繋がることから、酸度の値を下げる必要があります。 このことから、収穫時には手摘みで丁寧に取り、24時間以内にすばやく搾油することが、オリーブオイルの品質を保つうえで非常に大切になります。
AMYFARMでも、一粒一粒手摘みを行い、24時間以内に搾油しています。それに加え、酸化の進みを遅くするために、低温保存と低温抽出(コールドエクストラクション)を徹底して行っております。
酸度 | オリーブオイルの種類 |
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0.8%以下 | エキストラバージンオリーブオイル |
2%以下 | バージンオリーブオイル |
3.3%以下 | オーディナリーオリーブオイル |
3.3%以上 | ランパンテオリーブオイル |
用語説明
*1 グリセリンとは、アルコールの一種で人体では中性脂肪(グリセリンと脂肪酸が結合した化合物)として働き、必要に応じて体のエネルギーになります。甘味料や化粧品にも使用されます。
*2 脂肪酸とは、オリーブオイル中ではオレイン酸やリノール酸などのオリーブオイルを大半を構成する成分です。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸*3は空気中の酸素と反応すると過酸化脂質(ヒドロペルオキシド)*4を形成します。これは不安定な化合物であるため、アルコールやアルデヒド、ケトンにまで分解されます。これらの化合物は悪臭の原因であるため、オリーブオイルから酸化臭が発生する原因になります。
そのため、過酸化物価ではオリーブオイル中で酸化によって生成した過酸化脂質の量を測定することで、オリーブオイルの劣化具合を判断をすることができます。
過酸化物価 | オリーブオイルの種類 |
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20 meq/kg (mg当量/kg) 以下 | エキストラバージンオリーブオイル |
20 meq/kg (mg当量/kg) 以下 | バージンオリーブオイル |
20 meq/kg (mg当量/kg) 以下 | オーディナリーオリーブオイル |
制限なし | ランパンテオリーブオイル |
用語説明
*3 不飽和脂肪酸とは、オリーブオイルではオレイン酸やリノール酸などのように構造上、炭素と炭素の間に2重結合をもった化合物のことです。2重結合と異なり単結合の脂肪酸を飽和脂肪酸といい、この脂肪酸に比べて不飽和脂肪酸の結合は他の物質と反応しやすい特徴があります。
*4 過酸化脂質(ヒドロペルオキシド)とは、金属と酸素がイオン化した酸化物イオン(O2-)からなる化合物のことで、ペルオキシド構造(-O-O-)を持っていることも含めて示します。
オリーブオイルの加熱や衝撃により、過酸化物*5や低分子分解物が生成すると、これらの物質の構造により紫外線の吸収度が高まります。そのため、この値によりオリーブオイル中に酸化や分解された化合物がどのくらい含まれるのかが指標になります。
オリーブオイルの品質維持や劣化防止のためにオリーブの "酸化" を抑えることが大きな課題となります。
オリーブの酸化は収穫時から始まるので、AMYFARMでは手摘みによりオリーブ実の酸化や劣化する速度を抑制しし、短期間での搾油・濾過作業により毎回変わらない品質のオリーブオイルをお届けしております。
紫外線吸収度 (K232) | 紫外線吸収度 (K270) | △K | オリーブオイルの種類 |
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2.5以下 | 0.22以下 | 0.01以下 | エキストラバージンオリーブオイル |
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用語説明
*5 過酸化物とは、酸素がイオン化した酸化物イオン(O2-)を持つ無機化合物の総称です。